2026.07.02
在宅医療栄養療法

不登校は治せる! 【動画⑨この栄養素は必ず摂取して!】

*****本動画の概要*****

・必要な栄養素についての各論。

・タンパク質、脂質、ビタミンB群(特にナイアシン)、鉄・マグネシウム・亜鉛などのミネラル。
・まずは食事での充足を図るが、病んでいる時にはサプリメントの利用も考慮しよう。その考え方の根本には、補酵素の確率的親和力がある。

○タンパク質が重要であることは、どれだけ強調しても足りません。我々の身体はタンパク質だと言っても過言ではないくらい、全ての臓器も皮膚も筋肉も、タンパク質でできています。加えて、我々が生命活動と呼んでいる営みの全て、代謝も免疫も動きも、全てタンパク質の働きです。

○一方、我々の身体は常に作り替わっています。まだ使えている部品でも一旦壊して作り替えるのです。壊しては作り、壊しては作り、というプロセスを常に繰り返すことが、フレッシュさを保つことに繋がります。iPhoneの寿命が4-5年ほどなのに対し、我々の寿命が80年ほどもあるのは、そういった理由に依ります。
○このスクラップ&ビルドの過程で、どうしても必要なのが原材料であるタンパク質です。しかるに、我々のタンパク質摂取量は足りていません。充足の目安として、自身の体重gのタンパク質を摂取しましょうとされています。体重が60kgの人ならば1日60gのタンパク質を摂りましょうということです。

○一方、食卓に並ぶメニューの中で、メインディッシュといわれるお肉や魚介類の1人前はおおよそタンパク質量として20g、小鉢といわれる卵や納豆、豆腐などはおおよそ6g程度です。自身の体重gのタンパク質量を、1日の食事でまかなえているか、ちょっと考えてみて下さい。おそらく多くの人が、足りていないと思います。

○タンパク質は摂り過ぎも良くないのだ、という話を聞いたことがあるかもしれません。しかし前提として、「摂り過ぎ」と言えるほどのタンパク質を毎日摂取し続けるのは、至難の業です。身体に持っている消化酵素の量に依って、現在摂取できる量は自ずと限られるものです。

○この消化酵素の量は、タンパク質を摂取する努力をしているうちに増えてきます。お酒に慣れて徐々に量が増えてくることを「飲み上がる」といいますが、タンパク質や次にご紹介する脂質にも、「食べ上がる」ということがあるのです。

○脂質は、最も誤解されている栄養素と言えるでしょう。血管が詰まる元である、肥満物質である、と考えている人は多いと思います。血管が詰まるのは、酸化した脂質を摂取する、あるいは、摂取した脂質が体内で糖化を受けて劣化するから、であって、脂質を摂取することそのものが悪いわけではありません。

○我々の身体は約37兆というたくさんの細胞が集まってできています。1つ1つの細胞は、脂質の膜で包まれており、その内部では、エネルギーの生成、ホルモンや神経伝達物質の合成、解毒、メチレーション、などの重要な生命活動が行われています。また、細胞と細胞とは常に情報を伝達し合っています。

○これらの働きに、細胞膜の質が大きく関わってきます。劣化した脂質で構成された細胞膜では、全ての機能が低下してしまい、パフォーマンスが下がってしまうのです。

 特に細胞膜の構成要素として重要なのは、コレステロール、リン脂質、ω3脂肪酸、などの脂質です。これらは避けるどころかむしろ、積極的に摂取するようにしないといけません。

○特にその影響を受けやすいのは脳です。脳は身体の中で最も多くの細胞が集まっている臓器であり、パフォーマンス低下の影響をもろに受けてしまうからです。頭がぼーっとして働かない、集中できない、などの症状については特に、脂質の摂取が足りていないことと関連している可能性があります。

○脂質にはたくさんの種類がありますが、どの種類のものも、満遍なく摂取する必要があります。特に、ω3脂肪酸については、細胞膜の構成要素として重要ですので、積極的に摂る必要があります。

○安価に大量に合成される植物油には、ω6脂肪酸に分類されるリノール酸が多く含まれますが、油断すると、このリノール酸ばかりを摂取しがちです。しかしそれではバランスが悪く、質の高い細胞膜になりません。

○また、脂質は空気に長時間触れること、加熱すること、で、酸化してしまいます。なるべくフレッシュな状態で摂取することをお勧めします。加熱する食品については、天ぷらでも焼き物でも、調理してすぐに食べる方がいいということです。

○『ビタミンB群』はビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸やナイアシンなどの総称です。また『ミネラル』とは、特に重要な、鉄・マグネシウム・亜鉛、の3つを指しているとご理解下さい。これらを摂取する意義は、なんと言っても、代謝の潤滑油である、という点にあります。

○細胞内では膨大な数の酵素反応が同時に、絶え間なく起こっています。その酵素反応を助けるのが補酵素であり、これが足りないと、代謝の滞りが起こって、エネルギーが作れない、神経伝達物質が足りない、解毒・排泄ができない、ということになってしまいます。

○代謝酵素の働きには個人差があります。そのため、補酵素の必要量には自ずと数十倍というスケールで、大きな個人差が生まれます。この個人差を凌駕して大量のビタミンB群やミネラルを補充することで、病的状態の改善を図ろうというのがオーソモレキュラー栄養療法の根本原理であり、当クリニックでも必ずこれを薬物療法と並行して行います。

○ビタミンB群やミネラルを多く含む食品はなんでしょうか? 栄養素ごとの各論はありますが、大雑把に言って、それは赤身の肉や魚介類です。それらはタンパク質や脂質も豊富に含みますので、結局は、肉や魚をより積極的に摂取しましょうということに尽きると思います。

○しかし特に病んだ状況の時には、その回復のために多量のビタミンB群やミネラルを補充することが好ましく、その目的でサプリメントを用いるのです。栄養素が過剰になることはないのか?と心配する人がいますが、ビタミンB群やミネラルは水溶性であり、1つには過剰には吸収しない、また1つには吸収しても排泄する、といった調節の仕組みがあります。ですので、不足ではないことを目指してしっかりとした量を摂取すべきなのです。

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